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月別アーカイブ: 2025年8月

オーバーホールだより~6~

皆さんこんにちは!

CONNECTION REEL SERVICEの更新担当の中西です

 

~“直す×変える”をデザインする~

修理=性能を元に戻す/カスタム=性能や体験を更新する。 両者は似て非なる作業です。目的・法令・安全・整備性・コストの5軸で設計すれば、個性安心は両立できます。ここでは仕様決め→設計→実装→検証→引渡しの型をご紹介。


1|ゴール設定:5つの物差し

  1. 性能(出力・静粛・精度・耐熱)

  2. 安全(ブレーキ/電気/発熱/鋭利部)

  3. 法令適合(道路交通法・車検・電波法・PSE 等)⚖️

  4. 整備性(分解手順・標準工具・トルク表)

  5. コスト/納期/将来の部品供給(EoL・代替)

“やらないこと”も最初に決める(例:切削不可・穴あけ不可・純正復帰可能など)。


2|カスタムのカテゴリ例

  • 機能:ブレーキ/サス/放熱/制振/耐震/防水

  • 操作性:ノブ・グリップ・ペダル・UI配置・照明

  • 外観:塗装・アルマイト・ヘアライン・刻印✨

  • 電気/音:配線リフレッシュ・シールド・アース・オーディオチューニング

  • ソフト:ファーム/ECUの最適化(安全域と法令内で)


3|設計〜実装の流れ →️

  1. 要件定義:使用環境(温湿/振動/塩害)・体格・好み

  2. モック:色見・触感を3D/現物で先に確認

  3. 部品選定:純正/NOS/リプロ/CNC/3Dプリント、材質(アルミ/ステン/真鍮/チタン

  4. 実装トルク管理ロック剤配線色分け熱/擦れ対策

  5. 検証:振動/温度/通電/トルクの負荷試験→是正→最終外観仕上げ


4|“戻せるカスタム”のすすめ ↩️

  • 穴あけ/切削は最終手段既存穴・ステー流用でリバーシブルに

  • 配線は分岐ハーネスで純正側無改造

  • 取外し説明書(PDF/QR動画)を付け、売却/譲渡時の価値も守る


5|見積比較ポイント ✅

  • 仕様書:材質・表面処理・部品リスト・トルク表の有無

  • 検査項目:絶縁/耐圧/作動/騒音/光度など合否基準明記

  • 保証:対象(機能/塗装)と除外(消耗/経年)の境界

  • 法令適合適合証・ラベルの取り扱い


6|ケーススタディ(抜粋)

  • 自転車:ブレーキ→制動距離短縮、ハンドル・サドルで姿勢最適化(工具一本で調整可に)

  • 機械式時計:OH+調速→歩度・振り角をログ化、パッキン総替えで防水性を回復⌚

  • オーディオ:電源/アース最適化→ハム低減振動対策で定位改善
    ※いずれも法令・メーカー基準内での実装を前提に。


7|引渡しとアフター

  • 仕様書・写真台帳・トルク表をお渡し

  • 慣らし・点検タイミング(例:使用◯時間・◯km で増し締め)

  • 消耗品の型番・入手先を明記し、“自分でできる”保守も提案


8|安全と法令の注意喚起 ️

  • ブレーキ/電装/燃料/高圧部は必ず有資格者が作業

  • 公道・電波・電気用品適合表示試験記録を保存

  • 医療機器/保安部品に当たる改造は法令に従い不可 or 限定です⚠️


まとめ
“直す”と“変える”の境界線をはっきり。 目的→設計→検証→記録の順で、個性と安全を両立したカスタムを実現します。まずはやりたいこと/やらないことを3つずつ書き出してみてください。️✨

 

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オーバーホールだより~5~

皆さんこんにちは!

CONNECTION REEL SERVICEの更新担当の中西です

 

~“直す前に、見える化する”~

私たちは、症状ヒアリング→分解診断→見積→部品手配→組立調整→検査→記録納品までを一気通貫。作業の範囲・根拠・結果数値と写真で“見える化”します。はじめての方でも迷わないよう、**オーバーホール(OH)**の実務をまとめました。


1|相談前セルフ診断(症状の言語化)

  • :キュルキュル(ベルト/ベアリング)/カタカタ(ガタ・バックラッシ)

  • 温度:触ると局所的に熱い(グリス劣化・負荷過多)️

  • 動作立ち上がり遅延・止まる・ムラ(電解コンデンサ/接点/シール)⏱️

  • 漏れ:油・水・空気・電流のにじみ

  • 精度ズレる・振れる(ガイド/ギヤ/バランス)

症状・発生日・作業条件(時間/温度/負荷)を書き出しておくと診断が速く正確に。✍️


2|受付〜納品フロー ⛳

  1. ヒアリング&一次点検(写真・動画歓迎)

  2. 分解診断レポート:摩耗・劣化・ガタを数値化(例:クリアランス、軸振れ、電流値)

  3. 見積提示交換推奨部品継続使用可追加オプションを区分

  4. 作業:超音波洗浄→脱脂→消耗品総替え(シール/パッキン/ベルト/ベアリング/電解コンデンサ 等)→グリス&油種指定トルク管理→組立

  5. 調整・校正:バックラッシ/ゼロ点/荷重/バランス

  6. 耐久試験・検査:連続運転・温度/振動/精度ログ

  7. 納品写真台帳+計測表+次回点検目安を同梱


3|“見積比較”で見るべき5点

  1. 分解診断の有無(数値・写真の根拠)

  2. 交換部品の具体名(純正/NOS/リプロ/互換)

  3. 潤滑・接着・表面処理の銘柄(再現性)

  4. 検査項目と記録(精度・温度・電流・騒音)

  5. 保証範囲と期間(消耗品/外装は除外のことが多い)️


4|電子・精密機器の“データと静電気”⚡

  • バックアップ:設定・プリセット・ログは事前保存

  • ESD対策:リストストラップ/導電マットで静電破壊を予防

  • 再調整:ファーム/キャリブレーションはメーカー推奨値に準拠


5|発送・持込のコツ

  • 固定:可動部は緩衝材+テープ固定、シール面は汚れ防止

  • 乾燥:乾燥剤・防錆紙(必要に応じ)

  • 記録:外観・シリアル・メーター値を撮影して同梱


6|よくある質問❓

  • どれくらいの頻度でOHが必要?
     使用時間・環境・潤滑剤で差。“異音/発熱/精度低下”のいずれかが出たら要点検。

  • 互換部品は使う?
     安全と精度を満たす場合のみ。純正が入手困難なら根拠と一緒にご提案

  • 外装リフレッシュは?
     機能回復が先。外装は分解中にまとめて行うと工期・費用が効率的。


7|納品後のメンテ設計

  • 慣らし運転(軽負荷→定常)→増し締め確認

  • 潤滑周期・清掃ポイントA4シートを同梱

  • 次回点検の**“時間/症状トリガー”**も明記⏱️


まとめ
“診断の見える化”→“根拠ある交換”→“数値で検査”。この3点で長持ち安心を両立します。まずは症状のメモとお写真をお送りください。‍

 

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